個人事業主で法人化を考えている場合には、個人事業主と法人の違いをしっかり把握した上で、会社設立をする必要があります。法人を選択することで現在の税負担額よりも安く抑えることができる場合もあるため、それぞれの違いについて正しく把握しておきましょう。
以下、個人事業主と法人の違いを紹介します。

・初期費用、開業手続きが異なる。
個人事業主の場合、税務署に開業届の提出をおこなうことで誰でも開業することができ、初期費用をかけることなく、事業を始めることができます。
それに対して法人の場合は、開設手続きに時間と手間がかかる上、法定費用として登記申請までに一定の費用がかかります。
さらに、登記申請を税理士や司法書士を依頼する場合は、さらに登記費用が多くなる可能性があります。

・負担する税金の種類が異なる。
以下のとおり、個人事業主と法人で負担する税金の種類が異なります。

【法人】法人税、法人住民税、法人事業税、消費税など
【個人事業主】所得税、住民税、消費税など

また、税率や課税方式も異なり、所得税は所得が多ければ多いほど税率が高くなりますが、法人税は所得の区分に応じて税率が決定します。

・社会的信用度が異なる。
法人は会社設立するために一定額の資本金が必要となるため、社会的信用度が高いと言えます。
それに対して個人事業主の場合は、初期費用がかからず、誰でも開業することが可能となっているため、取引や契約をおこなう相手からの信用を得られない可能性あります。
また、法人のなかには個人事業主と取引・契約をおこなわない企業があるほか、個人事業主であることを理由に資金調達や不動産契約が困難になることもあります。

・経費の範囲が異なる。
個人事業主、法人どちらも事業にかかる費用は経費として計上することができます。
しかし、経費として計上できる範囲が異なり、個人事業主は自分の給与や生命保険料を経費として計上できません。

上記以外にも法人と個人事業では税務や会計面で異なる処理となる場合があります。また、個人事業から法人に事業形態を変更する場合には適切なタイミングでおこなわなければ思いがけない税負担を発生させてしまう可能性もあるため、慎重に検討する必要があります。

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